日本肩関節理学療法研究会

第7回 日本肩関節理学療法研究会開催報告

2012年7月28日(土)1日目

第7回は「理学療法の再考 画像所見との整合性」と題し、帝京平成大学(千葉県千葉市)にて開催されました。 全国各地から150名近い先生方に参加頂きありがとうございました。 前回に引き続き触診講習会の開催など、趣向を凝らしたプログラムを取り入れました。 来年以降も本研究会の発展のため、新たなチャレンジができればと考えております。皆様からのご意見・ご要望などありましたら研究会事務局まで宜しくお願い致します。

触診(palpation)講習

立花孝先生(信原病院)、高濱照先生(九州中央リハビリテーション学院)、西川仁史先生(甲南女子大学)による肩の触診(palpation)講習が開催されました。 36名の理学療法士、作業療法士の先生方が参加されました。肩関節における肩甲骨、上腕骨のランドマーク、筋の起始、停止など解剖の基礎の重要性を改めて感じました。

招待講演1

松本正知先生(桑名西医療センター)による「理学所見と超音波画像から考える拘縮肩の治療」では、超音波画像診断装置から得られる情報をもとにした治療法を説明していただきました。可動域とエコー画像を参考に筋肉の柔軟性と伸張性を再獲得し、靱帯や関節包、その他の組織を伸張し、そして骨頭と関節窩の位置関係を整え、肩甲骨周囲筋の収縮練習を行うという治療法でした。健側を超える可動域の獲得を目標にされており、そのための治療法など貴重なお話がたくさんありました。

症例検討会

「肩を語る会」と題し、2名の先生から御呈示頂いた肩関節疾患患者さんに対して、自由討論が行われ、様々な理学療法アプローチや考え方を学ぶことができました。次回以降も臨床に役立つように工夫していきたいと思います。
その後、会場をホテルニューオータニ幕張に移し、懇親会が開催されました。豪華な料理とお酒を交えながら、普段お話する機会がない他施設の先生方との交流や、研究会会場で話せない事など、楽しい時間を過ごすことができました。

2012年7月29日(日)2日目

教育講演

研究会2日目は第1回研究会から恒例となっている、高濱 照先生(九州中央リハビリテーション学院)による「肩の機能解剖」と題した教育講演が行われました。 毎年、基本に戻り解剖学を学ぶよい機会となっています。

招待講演2

見目智則先生(北里大学医学部整形外科)による「その時、肩関節で何がおこっているのか?
Cine-MRIによる肩関節評価」では、肩関節内の動態が詳細に観察可能なCine-MRIの健常例、投球障害例、腱板断裂例の疾患別に、動画を公開していただき、非常に貴重なお話をいただきました。

講演1

「SLAP損傷の理学所見と鏡視下所見」では高村隆先生(船橋整形外科病院)から、SLAP損傷のメカニズムや評価方法を説明して頂きました。
理学所見(評価)と画像所見と鏡視下所見との相違について理学療法士の視点から症例を通して、ポイントをわかりやすくお話して頂きました。

講演2

「腱板の理学所見と鏡視下所見」では遊佐隆先生(松戸整形外科病院)から、腱板断裂の基礎知識、腱板断裂を示唆する理学所見・画像所見を説明していただきました。
腱板損傷において必要な知識や評価技術、治療展開を再確認することができたと思います。

講演3

「凍結肩の理学所見と術中所見」では立花孝先生(信原病院)から、凍結肩に対する直視下観血的剥離術の術中所見と理学所見の整合性について説明していただきました。

招待講演3

高橋憲正先生(船橋整形外科病院 スポーツ医学センター 肩関節・肘関節外科)による「肩関節鏡視下所見と画像・理学所見」では、治療に抵抗性の慢性のインピンジメント症候群,理学療法によって代償が困難な腱板断裂,疼痛をコントロールしたうえでも可動域の改善が得られない凍結肩の疾患の手術に至る過程,画像所見の診かた,鏡視下手術の実際を説明していただきました。
理学療法士にとって、関節内の状態を知る貴重な機会となりました。

最後に、恒例の運営スタッフ集合写真です。皆さん今年もありがとうございました。

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リハビリテーション部:鈴木 智、小川 靖之